水だけ・スポーツドリンク・糖分の取り方を見直しましょう

暑い季節になると、熱中症対策として「こまめに水分をとりましょう」とよく言われます。
もちろん、水分補給はとても大切です。

ただし、夏の水分補給で気をつけたいのは、飲む量だけではありません。
「何を飲むか」「どのタイミングで飲むか」「だらだら飲んでいないか」も、お口や体の健康に関わってきます。

今回は、夏に気をつけたい水分補給のポイントについてお伝えします。

水分補給は「量」だけでなく「中身」も大切

暑い日は、汗をかくことで体の水分が失われやすくなります。
そのため、喉が渇いてから一気に飲むのではなく、こまめに水分をとることが基本です。

日常生活での水分補給は、水や麦茶など、糖分を含まない飲み物がおすすめです。
特に、室内で過ごしているときや軽い外出程度であれば、甘い飲み物を選ぶ必要はあまりありません。

一方で、たくさん汗をかいたときや、長時間の運動、高温環境で過ごすときは、水分だけでなく塩分も失われます。熱中症予防では水分と塩分の補給が大切とされており、スポーツ時などでは0.1〜0.2%程度の食塩を含む飲料が目安として示されることがあります。

汗をたくさんかいたときは「水だけ」では足りないことも

大量に汗をかいたとき、発熱・嘔吐・下痢があるときに、水だけを大量に飲むと、体内のナトリウム濃度が薄まりやすくなることがあります。
この状態が進むと、低ナトリウム血症につながる可能性があります。

特に、1時間以上の運動や炎天下での作業などでは、水分だけでなく、塩分も意識した補給が必要になることがあります。
ただし、塩分の摂りすぎが必要という意味ではありません。普段の生活では、食事から塩分を摂れていることも多いため、状況に応じて選ぶことが大切です。

「日常は水や麦茶」
「汗を多くかく場面では、必要に応じて塩分も意識」
という考え方がよいでしょう。

スポーツドリンク・イオン飲料は糖分が多いことがあります

スポーツドリンクやイオン飲料は、汗をかく場面では便利な飲み物です。
しかし、日常的に飲むものとして考えると注意が必要です。

スポーツドリンクやイオン飲料には、糖分が含まれているものが多くあります。
商品によって差はありますが、500mLのペットボトルに、スティックシュガー数本分の糖分が含まれていることもあります。

「さっぱりしているから大丈夫」
「水分補給のためだから健康的」
と思って毎日飲んでいると、気づかないうちに糖分を多く摂ってしまうことがあります。

甘い飲み物が習慣になると、水やお茶を飲む機会が減りやすく、体重増加や血糖値への影響にもつながることがあります。
そのため、スポーツドリンクは、運動時や体調不良時など、必要な場面で上手に使うのがおすすめです。

甘い飲み物の飲みすぎで起こる「ペットボトル症候群」

暑い時期に注意したいもののひとつに、ペットボトル症候群があります。
正式には「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれる状態です。

糖分の多い飲み物を続けて飲むと、血糖値が上がります。
血糖値が上がると、さらに喉が渇きやすくなり、そこでまた甘い飲み物を飲むことで、悪循環になってしまうことがあります。

清涼飲料水の多飲によって血糖値が上昇し、脱水や意識障害につながる可能性があることが指摘されています。

これは糖尿病と診断されている方だけの問題ではありません。
糖分の多い飲み物を習慣的に飲む方、血糖値が気になる方、肥満傾向がある方は特に注意が必要です。

お口にも注意。スポーツドリンクはむし歯リスクにも

スポーツドリンクやイオン飲料で注意したいのは、体への影響だけではありません。
お口の中にも影響があります。

多くのスポーツドリンクやイオン飲料は、糖分を含んでいます。
さらに、飲みやすくするために酸性に調整されているものもあります。

糖分はむし歯菌の栄養になり、酸は歯の表面を溶かしやすい環境をつくります。
そのため、甘くて酸性の飲み物をだらだら飲むと、歯にとっては負担が大きくなります。

特に注意したいのは、次のような飲み方です。

入浴後に毎日スポーツドリンクを飲む。
寝る前に甘い飲み物を飲む。
仕事中や運転中に少しずつだらだら飲む。
水代わりにイオン飲料を常飲する。

歯みがきをしていても、日中に何度も甘い飲み物を飲んでいると、お口の中が酸性に傾く時間が長くなります。
むし歯予防のためには、飲む内容だけでなく、飲み方も大切です。

糖分ばかりだとビタミンB1不足にも注意

糖分の多い飲み物を多く摂る生活では、ビタミンB1にも注意が必要です。

ビタミンB1は、糖質の代謝に関わる大切なビタミンです。厚生労働省の食事摂取基準でも、ビタミンB1はエネルギー代謝に関わる栄養素として扱われています。

甘い飲み物が多く、食事が偏ると、ビタミンB1が不足しやすくなることがあります。
不足すると、だるさ、脚気、神経症状などにつながることもあります。

また、イオン飲料などの多飲に関連したビタミンB1欠乏も報告されています。日本小児科学会関連資料では、イオン飲料の多飲とビタミンB1欠乏症の症例が紹介されています。

これは特に乳幼児・小児で問題になりやすい内容ですが、大人でも「甘い飲み物で水分補給して、食事が偏る」という状態は避けたいところです。

夏の水分補給、5つのポイント

夏の水分補給では、次の5つを意識してみましょう。

1. 基本は水・麦茶など無糖の飲み物
日常の水分補給は、糖分を含まない飲み物を基本にしましょう。

2. たくさん汗をかいたときは水分+塩分も意識
長時間の運動や炎天下では、塩分も失われます。状況に応じて補給しましょう。

3. スポーツドリンクは必要なときに
運動時や体調不良時など、目的に合わせて使いましょう。

4. 甘い飲み物の常飲・だらだら飲みは避ける
むし歯や血糖値への影響を考えると、水代わりに飲むのはおすすめできません。

5. 喉が渇く前にこまめに飲む
一気飲みではなく、こまめに補給することが大切です。

まとめ

夏の水分補給は、ただたくさん飲めばよいというものではありません。

日常は、水や麦茶などの無糖の飲み物を基本に。
たくさん汗をかいたときや体調不良時には、必要に応じて塩分や糖分を含む飲み物を上手に使いましょう。

スポーツドリンクやイオン飲料は便利な一方で、糖分が多く含まれていることがあります。
飲むタイミングや量を意識し、習慣的にだらだら飲むことは避けるのがおすすめです。

お口の健康を守るためにも、飲み物の「量」だけでなく「中身」と「飲み方」を見直してみてください。

北広島市のかえでファミリー歯科では、むし歯予防やお口の健康についてのご相談も承っています。
夏の水分補給やお口のことで気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

かえでファミリー歯科