こんにちは。

院長の須貝です。

 

みなさんは、直筋系という言葉をご存じでしょうか。

 

直筋とは、腹筋運動で鍛えられる腹直筋や、首の前方にある頚直筋などを指します。

特に腹直筋は、姿勢維持筋・抗重力筋の一つであり、正しい姿勢を保つために重要であると言われています。

 

直筋系とは、舌筋(舌は筋肉の塊です)・頚直筋・横隔膜・腹直筋・陰部筋などの直筋たちが、呼吸や姿勢維持などに際して反射的・自動的に連携して働き、内臓機能や循環機能の補助もするという概念です。

 

興味深いのは、直筋系が正しく働くとき(これを「直筋系のスイッチが入る」と表現します)、呼吸は必ず鼻呼吸になるということです。

 

さらに、直筋系のスイッチが入っていると腹直筋などの働きによって腹圧が上がるため、正しく美しい姿勢となります。

 

一方、腹圧が働かない子などに対して「姿勢を良くしなさい」と指示しても、姿勢維持筋は一瞬しか働かないため、いつまでも猫背などの悪い姿勢になってしまうのです。

 

では、どうしたら直筋系のスイッチを入れることができるのでしょうか?

 

実は、そのスイッチは舌にあります。

舌の真上にある口蓋(こうがい、海苔がひっつきやすいところ)に、舌が適切に接触したとき、直筋系のスイッチが入ると言われています。

 

この直筋系の概念は新しいもので、まだまだ研究途上です。

しかし、舌や呼吸、姿勢に着目する我々のような者には、実に興味深い考えです。

また新しい知見が得られましたら、このブログなどでご紹介します。

 

 

※参考文献: 舌骨から紐解く顎機能の謎 丸茂義二のファイナルアンサー,

丸茂義二,2022年,デンタルダイヤモンド社

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