こんにちは。歯科衛生士の吉田です。

今回は歯のホワイトニングについてお話しします。

歯を白くしたいという願望は今も昔もかわって

いなく、最初に漂白により歯を輝かせようという

試みは100年以上も前に行われています。

1884年には現在も使われている過酸化水素を

最初に使用したという報告が残されているそう

です。

 

歯のホワイトニングとは何か?

 

ホワイトニングは、広い意味では歯を白くする

処置の総称です。

狭い意味では歯の漂白(ブリーチ)をさします。

私たちが普段ホワイトニングと言っているのは、

歯の漂白(ブリーチ)を主にさします。

歯の漂白は、歯を削る事なく化学的に色を改善

できる方法です。

 

人の歯の色

 

人の歯の色には個人差や人種によっても違いが

あります。

歯は大きく3層構造からなっています。

一番外側に【白色半透明のエナメル質】

その下に【淡黄色不透明な象牙質】

その象牙質の中に神経である【歯髄】があります。

このエナメル質の厚さや色と象牙質の色が、

その人の歯の色を決定しています。

歯の色調は、エナメル質を透過して象牙質が

見えることにより知覚しているのです。

そのためエナメル質や象牙質の厚さで、

歯の色は異なってみえます。

一般的に白人・黒人は黄色人に比べて、

エナメル質が厚いといわれており、

肌の色とのコントラストの影響もあり、

日本人に比べて歯が白いように見えるのです。

また、歯の部位によっても色調は違います。

たとえば、犬歯は象牙質が厚いため、

他の歯より黄色っぽく見えます。

当院でもホワイトニングを希望される方からは、

犬歯の色が気になると言われることが圧倒的に

多いです。

また、年配の方の多くは、昔より歯が黄色く

なった気がすると言われます。

これは、年齢とともにエナメル質が薄くなり、

透過性が高くなるため、黄ばんだ象牙質の色

が以前より透けて見えるようになるからです。

 

日本人の平均的な歯の色は?

 

歯医者には「シェードガイド」と呼ばれる

歯の色見本があります。

このシェードガイドの一番白い色は「W1」で

最も暗い色は「C4」です。

日本人の平均的な歯の色は「A3〜A3.5」程度

であると言われています。

(画像引用元:https://haisha-yoyaku.jp)

 

日本人が思う理想的な歯の色は?

 

多くの人が白いと思う歯の色はシェードガイド

の「A1」だそうです。

この「A1」はテレビのアナウンサーの歯の色の

平均と言われています。

逆に、シェードガイドの「B4」を超えた

歯の色では、多くの人が「歯が黄ばんでいる」と

感じるそうです。

 

 

歯の着色・変色の主な原因は何か?

 

1. エナメル質表面に影響を及ぼす表面的着色・変色

コーヒー、お茶、赤ワイン、タバコなどの

嗜好品により、歯は着色・変色します。

これらを長く摂り続けるほど、累積変色作用で、

より一層歯が変色して見えます。

生活習慣の違いで、ホワイトニング後の後戻り

にも違いが生じてくると思われます。

 

2. 歯の組織の変色

エナメル質や象牙質内部に色素が沈着したり、

歯冠の形成期に何らかの障害を受けたりする

事があります。

これらの中には、ホワイトニングの非適応の場合

もあります。

・遺伝性・代謝性の変色

・歯の形成期に母体に投与された薬剤の影響の変色

主に妊娠初期に服用したテトラサイクリン系薬剤

により歯に色素沈着が起きることがある。

・エナメル質形成期と石灰化期にフッ化物過剰摂取による変色

斑状歯(歯のフッ素症)は、1ppm以上の

フッ化物を含む飲料水を飲んでいる地域に

集中的に発生する。

・歯の外傷または治療が原因の変色

・加齢による歯の色の変化

 

ホワイトニングの適応症と非適応症

 

◉適応症

・色素沈着による変色歯

・加齢による変色歯

・軽度のテトラサイクリン変色歯

・外傷や不適切な歯の治療による歯髄壊死から生じた変色歯

 

◉非適応症

・重度の知覚過敏歯

・重度のテトラサイクリン変色歯

・重度の石灰化不全歯(エナメル質表面の欠損がある場合)

・金属修復物から金属イオンが溶出することにより生じた変色歯

・根未完成歯

 

 

人の歯の色は、生まれつきの歯の質によって

違います。

それに加え生活習慣や加齢によりさらに変わって

きます。

自分の歯は、ホワイトニング(歯の漂白)の

適応症なのかどうかわからない方は、

歯医者さんに一度相談されると良いですよ!

 

次回は、ホワイトニング(歯の漂白)の種類と方法についてご紹介します。

 

かえでファミリー歯科